気力みなぎる高安、途中出場から3勝目あげる
「きょうの一番に集中できた」、大栄翔を突き落とし
馬力のある大栄翔の当たりに高安は動じなかった。重い突きで上体を起こし、相手が出てきたところで突き落とし。「自分のペースで相撲を取ろうと思った。きょうの一番に集中できた」。口ぶりに気力がみなぎった。
場所前の稽古は順調だった。部屋付きの荒磯親方(元横綱稀勢の里)と何番も取って備えてきたが、直前にアクシデント。ぎっくり腰のため、初日からの休場を余儀なくされた。
それでも3日目から土俵に上がった。全治は約10日間との診断。当初は歩くのも困難な状態だったが、数日間休んだだけで出場を決めた。8月には荒磯親方が独立するだけに、今場所は高安にとって特別な場所。好結果を残すことが、自身が入門してから「1万番以上やってきた」という兄弟子への恩返しになる。
近いうちの大関返り咲きをにらみ、2桁白星に照準を定める。6日目を終えて3勝。「体は好調」との言葉は本心ではないかもしれないが、「気を引き締めて、あしたからも頑張りたい」。強い覚悟で土俵を務めている。