綱とりに挑む照ノ富士、揺るぎない前への圧力


北勝富士の攻めを冷静にさばき5連勝、目の前の一番に集中

綱とりに挑む照ノ富士、揺るぎない前への圧力

北勝富士(左)を攻める照ノ富士。小手投げで下し5連勝=8日、愛知・ドルフィンズアリーナ(時事)

 注目される場所の序盤を無傷で乗り切った。綱とりに挑む照ノ富士が初日から5連勝。北勝富士の攻めを冷静にさばき、「思った通りだったのかな、と思う」。淡々と振り返る姿に揺るぎない自信がのぞいた。

 立ち合いでずれて立った北勝富士に動き回られたが、左で抱え、右ものぞかせ組み止めた。怪力で差し手を返しながら前へ。逃れようとする相手を小手投げで難なく転がした。

 4日目の大栄翔戦は相手の押しに思わず引いて、呼び込む場面があった。この日は一転して終始、前に圧力をかけ続け、「自分は一つのことしかできないので」と話した。前日は古傷を抱える両膝に負担がかかりそうな相撲を取っただけに、自戒の思いも込めたのだろう。

 勝ちっ放しは5日目で早くも白鵬と2人だけになったが、「始まったばかりなので。これから10日間ある。一日一番集中してやるだけ」と、あえて先は見ない。大事な場所にあっても、目の前の一番に集中できている。