福島県相馬市、中学生にワクチン集団接種を実施


来月27日から希望者に、現時点で650人が接種を希望

福島県相馬市、中学生にワクチン集団接種を実施

高齢者や一般市民向けの新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場となっている「スポーツアリーナそうま」。中学生の集団接種も予定されている=8日、福島県相馬市(時事)

 福島県相馬市は25日までに、市立中学校に通う生徒960人のうち、希望者を対象に新型コロナウイルスワクチンの集団接種を実施すると発表した。会場は市内の体育館で、夏休み中の7月27、28日に1回目、8月17、18日に2回目の接種を行う。現時点で約650人が接種を希望しているという。

 米ファイザー製ワクチンの対象年齢は16歳以上から12歳以上に引き下げられており、同社製を使用する。市内には接種を担う小児科医が少なく、接種後に副反応が出た場合に備える必要があると判断した。

 会場には保護者の同席が必要。同じ学校の生徒がなるべく顔を合わせないようにするため、学校ごとではなく全対象者を50音順とし、生徒間に「打たなければいけない」という同調圧力を生まないよう配慮する。原史朗保健福祉部長は「医療機関での個別接種や、接種を受けないことも希望できる」と説明している。

 相馬市は65歳以上の高齢者向け接種でも、独自の集団接種会場の運営方法を導入しており、既に9割が2回接種を完了。64歳以下でも約27%の人が2回接種を終えている。

 文部科学省と厚生労働省は22日、全国の自治体に学校での集団接種について「現時点では推奨するものでない」と通知。ただ、医師確保が困難な場合、適切な対策を講じることを前提に集団接種を認めるとした。