走り高跳びの戸辺直人、初の五輪へ大きく前進
2m30を成功させ4度目の優勝、亡き恩師と誓った舞台へ
戸辺が初の五輪出場へ大きく前進した。男子走り高跳び、2メートル30の3回目。観客に手拍子を求めて気合を入れ、バーに体がわずかにかすりながらも成功。2年ぶり4度目の優勝を決め、左手の人さし指を高々と突き上げた。
風が舞う難しい環境下、体の状態が良く、「踏み切りさえはまれば、2メートル30は絶対跳べると思った」と自信があった。東京五輪参加標準記録の2メートル33はクリアできなかったが、世界ランキングで五輪出場権獲得が有力。本番を見据え、この大会に調子のピークは合わせず「一つのステップ」と捉える中で地力を示した。
前回五輪イヤーの16年は故障が響いて日本選手権で結果を残せず、リオデジャネイロ五輪代表入りを逃した。筑波大で出会い、同年6月に死去した恩師の図子浩二さんと誓った目標は、東京五輪での表彰台。2メートル35の日本記録を持つ29歳は「本番に向けて、最後の詰めた練習をしていく」と視線を前に向けた。