陸前高田市の「奇跡の一本松」で聖火をつなぐ


岩手県の震災被災地をリレー、「立ち会えてありがたい」

陸前高田市の「奇跡の一本松」で聖火をつなぐ

「奇跡の一本松」の前を走る聖火ランナー=17日午後、岩手県陸前高田市(時事)

 東京五輪の聖火が17日、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県の沿岸部を縦断し、津波に耐えて残った陸前高田市の「奇跡の一本松」の前でつながれた。住民らが見守る中、受け継いだ走者が走りだすと花火が打ち上げられた。

 この日は同県でのリレー2日目で、岩泉町からスタート。聖火は大船渡市を経て一本松の前に到着し、陸前高田市の清水祐真さん(16)が受け継いだ。「被災して大変な思いをしている人を応援したい」とランナーに応募した清水さんは走り終えた後、「緊張したが、とてもうれしかった」と語った。

 手作りのうちわで応援していた清水さんの祖母、恭子さん(67)は「晴れて迎えられて感激。津波で亡くなった夫も見ていたと思う」と笑顔。前回東京五輪の1964年生まれという女性(57)は同い年の幼なじみと聖火を見送り、「地元で立ち会えてありがたい」と話した。聖火は18日、盛岡市へ向かう。新型コロナウイルスの感染防止のため、同市では公道でのリレーが中止となった。