大阪大が開発を発表、5分でコロナ感染を判定
AIが唾液に含まれるウイルスを分析、精度も高く実用化へ
大阪大の研究チームは17日、5分程度で新型コロナウイルス感染が分かる検査法を開発したと発表した。唾液に含まれるウイルスの体積や形状などを人工知能(AI)が判定する新しい仕組みで、精度も高いという。スクリーニング検査などでの活用を想定しており、実用化を急いでいる。
同大産業科学研究所の谷口正輝教授によると、半導体に使われる素材で薄さ50ナノメートルのシートを作製。シートに開けた微細な穴をウイルスが通過した際の電流波形を読み取り、事前にAIに学習させたデータと比較して判定する。
検体の事前処理などが必要なく、検査機器の持ち運びも可能。30分程度かかる抗原検査より時間を短縮でき、機器の大量生産により検査料金も数千円程度まで抑えられるという。
年内に医療機器として承認申請する予定で、16検体を一度に調べる機器も開発する。春の選抜高校野球大会に出場した選手175人を検査したところ、全員陰性で、PCR検査の結果と全て一致したという。
論文は17日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に掲載された。記者会見した谷口教授は「データが集まるほど精度が上がり完成に近づく」と話した。