「警察初動不十分」富山交番襲撃事件で県を提訴
射殺の警備員遺族、近隣住民や通行人らに避難指示なし
富山市で2018年、警察官が刺殺され、奪われた拳銃で小学校の警備員中村信一さん=当時(68)=が射殺された事件で、富山県警の初動対応が不十分だったとして、中村さんの妻が11日、島津慧大被告(24)=一審無期懲役、控訴=と富山県に約2600万円の損害賠償を求めて富山地裁に提訴した。
訴状によると、島津被告が交番を襲って銃を奪い逃走しているのに、県警本部通信指令課は近隣住民や通行人らを避難させるよう指示せず、現場に到着した警察官らも行動を怠った。このため、中村さんは危険を認識できず、至近距離から撃たれて死亡したとした。
妻は記者会見で「事件を教訓に、警察の初動の在り方を考え、緊急時に適切な判断をしてもらう必要がある」と話した。