12歳の新星、 中1の開心那が東京五輪に滑り込み


新競技スケートボード、高い技術で夏季「最年少」出場

12歳の新星、中1の開心那が東京五輪に滑り込み

五輪出場を決めたデュー・ツアーでの開心那の滑り=23日、米アイオワ州デモイン(時事)

 東京五輪の新競技、スケートボードの女子パークで、12歳の新星が出場権を獲得した。中学1年生の開心那。残っている記録では夏季五輪の日本選手最年少となる12歳での出場を確実とした。23日まで米アイオワ州デモインで行われたデュー・ツアーで5位に入り、ポイントランキングで日本勢3番手につけていた中村貴咲を逆転した。

 優勝した四十住さくらや岡本碧優、同じ12歳で宮崎県出身のスカイ・ブラウン(英国)らトップ選手には及ばなかったが、堂々とした滑りを披露。最後の滑走となった決勝の4本目は目立ったミスなく滑り切った。「良かったと思うけど、3位以内に入りたかった。だけど、自分の滑りを見せられたからいいと思う」と落ち着いた口調で試合を振り返った。

 母がスケートボード好きで、幼稚園児だった5歳から競技を始めた。北海道苫小牧市の自宅から札幌市のインドアスケートパークに通い、練習熱心でみるみる上達。トレードマークの長髪をなびかせながら、軽やかに滑走する。

 体が細いためスピードとダイナミックさには欠けるが、レベルの高い技術は日本代表の西川隆監督もお墨付きを与える。おわん形に湾曲したコースの縁を、ボードを斜めにして滑る「ノーズ・グラインド」が得意技だ。

 小学校を卒業したばかり。東京五輪では12歳という若さが注目を集めそうだが、本人は「年齢のことは考えていない」。19歳の四十住、14歳の岡本ら同じ日本勢の壁は高いが、「誰もやっていない技をやって、3位以内で(表彰台に)上がりたい」。大舞台でメダルを取ることはできると思っている。(ロサンゼルス時事)