今年の「猿橋賞」、田中幹子東工大教授に決定
優れた女性研究者に、脊椎動物の手足の発生と進化を研究
優れた研究業績を残した女性研究者に贈られる「猿橋賞」の今年の受賞者が、脊椎動物の手足の発生と進化に関する研究で成果を挙げた田中幹子東京工業大教授(50)に決まった。「女性科学者に明るい未来をの会」(石田瑞穂会長)が22日、発表した。
田中さんは、古代魚のひれから進化した手足の起源を研究。進化の過程で遺伝子の働く場所が変化して、ひれと身体をつなぐ骨の数が減少し、複雑な動きが可能になったことなどを明らかにした。
また、胎児期に指の間にあった「水かき」のような組織が、細胞が死ぬことで指を形作る仕組みについて、活性酸素が関係していることを発見。動物が陸上に進出する進化の中で、こうした仕組みを得たことなども示した。