国立天文台など、最古の「渦巻き銀河」を発見


宇宙初期で124億年前のもの、銀河の形成史の手掛かりに

国立天文台など、最古の「渦巻き銀河」を発見

観測史上最も古い124億年前の宇宙で見つかった渦巻き銀河(国立天文台井口聖教授、総合研究大学院大の津久井崇史さん提供・時事)

 国立天文台などは、124億光年離れた宇宙で、地球がある銀河系(天の川銀河)と同じような渦巻き構造を持つ銀河を見つけたと発表した。138億年前の宇宙誕生からわずか14億年と観測史上最も古い渦巻き銀河で、銀河の形成史などを知る手掛かりになるという。論文は20日付の米科学誌サイエンス電子版に掲載された。

 銀河にはさまざまな形があるが、現在の宇宙では中心に「バルジ」と呼ばれる膨らみがあり、周辺部に平たんな円盤と渦巻き状の腕を持つ「渦巻き銀河」が約7割を占める。渦巻き銀河は複数の銀河の衝突・合体などを経て、時間をかけて生じると考えられており、これまで100億年以上前の宇宙では数個しか見つかっていなかった。

 国立天文台の井口聖教授と総合研究大学院大の大学院生津久井崇史さんは、2018年に南米チリにあるアルマ電波望遠鏡で、地球からおとめ座の方角に124億光年離れた銀河を観測したデータを解析した。