「必死に一日一日」、照ノ富士が会心の一番
過去1勝4敗苦手の阿武咲を圧倒、取り戻した前への意識
前日の黒星の影響はみじんも感じさせない完勝だった。盤石の寄りで阿武咲を下して単独トップを守った照ノ富士は「必死に一日一日やるだけ」と表情一つ変えずに会心の一番を振り返った。
過去1勝4敗と苦手にしていた相手に、この日は何もさせなかった。立ち合いでしっかり踏み込んで阿武咲の出足を止める。左上手は取れなかったが、すぐに右の上手をがっちり。左前まわしもつかむと、腰を落としながら一気に前に出た。
前日の妙義龍戦は下がりながら投げを打った際に相手のまげをつかんでしまい、痛恨の反則負け。今場所初黒星を喫したが「あんな相撲を取った自分が悪い。気持ちを切り替えて頑張ろうと思った」と照ノ富士。序二段からの復活劇の原点とも言える「前に出る相撲」を取り戻した。
優勝争いは、照ノ富士と、1差で追い掛ける貴景勝の2人にほぼ絞られ、残り3日。「いつも言っている通り。毎日やるだけ」。淡々とした口調に自信がのぞいた。