苦しい土俵が続く朝乃山、攻撃こらえ何とか逆転
北勝富士におっつけられ防戦一方、連敗を止めても喜べず
3連敗を免れても、朝乃山の表情はさえなかった。過去9勝2敗の北勝富士に右差しをおっつけられて防戦一方。懸命にこらえ、すくい投げから勝機を見いだしたものの、喜べる内容の白星ではなかった。
苦しい土俵が続いている。初日の大栄翔戦も土俵際での逆転勝ち。2日目は明生に脇の甘さを突かれて逆転を許し、3日目は若隆景を相手に得意の左上手からの攻めを発揮できなかった。盤石の相撲でただ一人の4連勝とした照ノ富士、好内容だった貴景勝、正代とは違い、どうも乗り切れていないようだ。
左上手を引けば強いが、相手に警戒され、簡単には形をつくらせてもらえない。八角理事長(元横綱北勝海)は「右を差してから、上手にいっている。そうすると受けてしまう。立ち合いで前みつを狙うことを心掛けた方がいい」と指摘。場所前には稽古で右四つを磨いてきたというが、さらなる工夫が必要だろう。
取組後、取材に応じることなく引き揚げた朝乃山。この状況から立て直せないようでは、大関として大きな試練を迎えかねない。