大雨被害 被災者への手厚い支援を


 また、大雨による被害が生じた。四国沖から北東へ進んだ低気圧と、関東の南東海上を北上した台風21号の影響による大雨で、冠水や土砂崩れなどが相次ぎ、千葉県や福島県で10人以上の死者・行方不明者が出た。

 千葉県や福島県では、台風や大雨による被害が相次いでいる。政府や自治体は、行方不明者の捜索とともに被災者の支援に全力を挙げるべきだ。

繰り返される自然災害

 千葉県では市原市や佐倉市、鴨川市などで、半日で平年の10月の1カ月分を超える雨量となった。台風21号と低気圧の双方から湿った空気が房総半島の上空に流れ込み、局地的な前線がかかったことが原因とみられている。記録的な大雨によって、河川の氾濫や土砂崩れなどが発生。福島県でも浸水が生じた。

 千葉県内の小中高校では、1200人以上の児童・生徒が帰宅できず、学校やホテルで一夜を過ごした。成田空港でも、高速バスや電車の運休・遅れで利用客ら約3000人が足止めされ、旅客ターミナルなどで朝を迎えた。

 千葉県は台風15号や19号、福島県は19号で大きな被害を受け、復旧が進む中で再び自然災害に見舞われた。今回の大雨で、既に被災していた家屋の被害が進んでいる恐れもある。

 繰り返される災害によって被災者は心身共に疲れ切っているはずだ。生活再建にも時間がかかるだろう。政府や自治体の手厚い支援が欠かせない。

 地球温暖化の影響などで海水温が上昇し、記録的な大雨をもたらす台風が発生するリスクは高まっている。台風19号は、海面水温が比較的高い海域を進んだことで勢力が急激に増す「急速強化」という現象が起き、一時「スーパー台風」と呼ばれる勢力となった。

 今回のように、前回からあまり時間をおかずに台風が日本列島に接近し、前回の被災地が再び被害を受けることも増えるだろう。前回の大雨で地盤が緩んでいれば、少ない雨でも洪水や土砂災害の危険性が高まる。

 災害の激甚化への対策としては、やはりハード面の整備が不可欠だ。台風19号による被害を踏まえ、国土交通省の各地方整備局は専門家による調査委員会を立ち上げ、堤防が決壊した国管理の河川の復旧と原因究明を始めた。

 安倍政権は、2011年3月の東日本大震災を教訓に「国土強靭(きょうじん)化」を掲げている。地震や津波への対策はもちろんだが、これとともに気候変動を念頭に従来の治水計画を見直し、ダムの整備や堤防の強化を進める必要がある。

 ソフト面では、住民の危機意識をいかに高めるかが大きな課題だと言える。政府や自治体は大雨特別警報や避難勧告・指示などについて、運用をさらに改善しなければならない。

自分の命は自分で守る

 ただ、これからは今までに経験のない強い風雨に見舞われる可能性が一層高まるだろう。

 私たち一人一人も行政に全面的に依存するのではなく、自分の命は自分で守ることが求められている。地域全体で避難計画作成や訓練などに積極的に取り組みたい。