五輪まで1年 「おもてなし」の準備も万全に


 2020年7月24日に行われる東京五輪開会式まであと1年を切った。過去最多の金メダル獲得を目指すことはもちろん、国内外からの観客に対する「おもてなし」の面でも準備を万全に整えたい。

金メダル目標は30個

 日本での五輪開催は、1964年東京大会以来56年ぶりとなる。前回の東京大会は高度経済成長の真っただ中に行われ、東海道新幹線や高速道路、国立競技場などのインフラが次々と整備されて先進国へ飛躍するきっかけとなった。

 一方、今回は先進国として成熟した日本の姿を世界に示す大会となる。2011年の東日本大震災からの「復興五輪」でもあり、聖火リレーは復興を象徴する場所や世界遺産、名所・旧跡など47都道府県の857市区町村を回るルートが決まった。日本の国力や文化などをアピールする機会でもある。

 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は、JOCが目標に掲げる金メダル30個は「可能と確信している」と自信を示した。日本が過去の五輪で獲得した金メダルは、前回の東京大会と04年アテネ大会の16個が最多で、今回の目標はこの2倍近い。

 最近の日本勢は体操などの有望競技で苦戦しているが、東京五輪まではまだ1年ある。今大会で採用される空手や野球、ソフトボール、スポーツクライミングなどを含む各競技の選手たちは、五輪で実力を最大限発揮できるよう練習を積み重ねてほしい。

 選手たちを支えるのが国民の熱い声援だ。選手と国民が心を一つにして金メダルの目標を達成したい。

 五輪は「参加することに意義がある」スポーツの祭典だが、一方で各国が熾烈(しれつ)なメダル争いを繰り広げ、自国の存在感を高めるための競争の場でもある。開催国にとっては国威発揚にもつながる。そのためにも万全の準備が求められる。

 メイン会場の新国立競技場は今年11月末の完成予定に向け、工事が9割程度まで進んでいる。今回の大会において極めて重要な暑さ対策としては、観客席に風を送る「気流創出ファン」が計185台、ゲート付近の8カ所にはミスト冷却設備が設置される。他の会場でも、暑さを和らげる工夫が必要だ。

 また交通混雑の緩和のため、この夏には時差出勤や在宅勤務(テレワーク)、首都高速道路などの交通規制を試行する。選手や観客が快適な環境で競技や応援に集中できるよう、十分な対策を講じてほしい。

 多言語による情報発信など外国人へのきめ細かい配慮も欠かせない。大会会場のボランティアや宿泊施設による丁寧な「おもてなし」は「日本ファン」の外国人を増やし、五輪後の観光戦略展開にもつながるだろう。

 今回の五輪とパラリンピックのメダルは、不用になった携帯電話などをリサイクルして集めた金属で制作する。資源再利用への世界の関心も高めたい。

テロへの厳重な警備を

 大規模なスポーツイベントはテロの標的となり得る。五輪期間中の厳重な警備と共に事前のテロ情報収集が不可欠だ。