拉致問題、今年こそ解決の糸口見いだせ


 横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから今年で40年。めぐみさんをはじめとする拉致被害者、そして家族にとってもあまりにも長い歳月が過ぎた。

 家族を引き裂いた北朝鮮に改めて激しい怒りを覚える。日本政府は今年こそ拉致問題解決の糸口を見いだすべきだ。

 めぐみさん拉致から40年

 東京都内の百貨店では、めぐみさんの写真展が開催されていた。見学した加藤勝信拉致問題担当相は「一日も早い全ての拉致被害者の帰国に向け、全力で取り組んでいく」と決意を新たにした。

 拉致問題をめぐっては2014年5月のストックホルム合意に基づき、北朝鮮が同年7月、拉致被害者らの安否に関する再調査のために特別調査委員会を設置。これを受け、日本は独自制裁を一部解除した。

 しかし、北朝鮮は再調査について日本への報告を先送りし続けた。そして、4度目の核実験や長距離弾道ミサイル発射に対して日本が昨年2月、独自の制裁措置を決めたことに反発し、特別調査委を解体した。

 不誠実極まりない。北朝鮮は何の落ち度もない日本人を拉致し、対日外交で取引の材料にしているのだ。日本で帰国を待つ家族に対し、あまりにも冷酷な仕打ちではないか。

 帰国が実現していない認定拉致被害者はめぐみさんを含め12人、このほか拉致の疑いを排除できない特定失踪者が数百人いるとされる。拉致問題が未解決のまま、被害者や家族の高齢化が進んでいる。

 めぐみさんの母早紀江さんは写真展の会場で「諦めずに助けるという信念を忘れず闘うしかない」と述べるとともに「あちらにいる40年、どんな生活をしているのか。苦しさを何とか断ち切ってあげなければという思いでいっぱいです」と話した。政府は、このような家族の思いに応えなければならない。

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は核・ミサイル開発を進める一方、幹部の処刑など恐怖政治を行っている。昨年5月の第7回党大会では核開発と経済発展の「並進路線」が規約に盛り込まれ、各分野で短期間に成果を出すために無理な住民動員を強行した。人権を軽んじる姿勢は、拉致問題にも共通している。

 しかし、このような体制が長続きするとは到底思えない。北朝鮮への国際的圧力は強まっており、住民の不満も増幅しているだろう。非核化と拉致を含む人権問題の解決を実現しない限り、経済発展は不可能だ。

 日本は米国などと連携し、北朝鮮への圧力を一層高めていく必要がある。トランプ次期米政権の対北政策は不透明な部分も多い。だが金委員長が新年の辞の演説で「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射準備が最終段階に達した」と述べたことに対し、トランプ氏はツイッターに「北朝鮮が米国の一部に到達する能力を持つ核兵器開発の最終段階にあると宣言した。そうはさせない」と書き込んだ。

 トランプ氏の理解得よ

 拉致問題に関しても、トランプ氏に期待する声がある。安倍晋三首相はトランプ氏にこの問題の重要性を訴え、理解を得る必要がある。