原発再稼働でエネルギーの自給率アップを


 政府のエネルギー政策の柱となる「エネルギー基本計画」では、化石燃料の大半を海外に頼る我が国にとって「エネルギー安全保障は常に大きな課題」として、エネルギーの安定供給を基本的視点に据えた。

 原子力発電においては、安全確保を最優先しつつ速やかな再稼働を進め、その上でエネルギーのベストミックス(最適な電源構成)を確立したい。

 水素燃料電池の開発も

 わが国は、ほとんどのエネルギー源を海外からの輸入に頼っており、海外においてエネルギー供給上の問題が発生した場合、経済社会は直ちに混乱を来してしまう。

 そのリスクを分散するために国産エネルギー源を確保すべく、2010年の原子力を含むエネルギー自給率は19・9%にまで改善された。発電媒体として原子力は水力に続いて高く23・8%(08年IEA調べ)を占め、その利用は欠かせない。

 東京電力福島第1原子力発電所事故で、震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙に戻され、わが国の原発は安全点検のためすべてストップした。その結果、12年時点のエネルギー自給率は、6・0%まで落ち込み、電源として化石燃料に依存する割合は震災前の6割から9割に急増している。

 また、13年の貿易収支は過去最大となる約11・5兆円の赤字を記録。高騰する燃料価格などにより、全国で標準世帯のモデル料金が2割程度も上昇した。

 九州電力川内原発は来年早々の再稼働が見込まれているが、今後も国の安全審査を経た原発の早期再稼働を求めたい。合わせて福島原発事故理の一環として、廃炉、汚染水対策を着実に進めるべきだ。

 さらに復興とともに、除染の実施、中間貯蔵施設の整備などを推進し、地域づくりを行ってほしい。

 代替エネルギーについては幸い、技術の進歩で水素を燃料とする燃料電池の開発が進み、燃料電池自動車の製品化、家庭用燃料電池の導入が実現されてきた。水素供給システムの構築に向けた技術開発は急速に進むと見られ、将来のエネルギーの選択肢として有望だ。

 また世界で第6位の排他的経済水域の広さを持つわが国は、海洋におけるエネルギー・鉱物資源の開発でも展望が開かれた。特に東部南海トラフ海域に、わが国の天然ガス消費量の約10年分のメタンハイドレートが存在していると推定されており、開発が急がれる。また再生エネルギーについても風力・地熱の導入加速に向けた取り組みの強化を期待したい。

 一方、1955年制定の原子力基本法は「平和利用」が基本理念で、今後もこれに沿っていくべきである。

 安全追求で世界に貢献を

 軽水炉の安全追求の分野でわが国は世界で最も貢献し、信頼される軽水炉は世界中に500基以上配置されている。しかもいかにして安全性向上を図るかについてデータを一番多く持っているのは日本だと言われる。

 福島の事故の分析をきちんと行い、そのデータを世界に提供し世界の原発の安全性向上につなげたい。

(12月11日付社説)