松山メジャー制覇、日本に勇気与える歴史的快挙


 29歳の松山英樹選手が、ついにやってくれた。米国ジョージア州オーガスタで開かれていたマスターズ・トーナメントで、日本勢として初優勝を飾り、4大メジャー大会での優勝という日本男子ゴルフ界の悲願を成し遂げた。

 マスターズで初優勝

 その歴史的偉業は、日本人に誇りと勇気、そして希望を与えるものだ。菅義偉首相は「新型コロナウイルスの影響が長引く中、日本中の皆さんに勇気と感動を与えてくれた」と称(たた)えた。

 これまで、全英オープン、全米オープン、全米プロ選手権を含めた4大メジャー大会に青木功、尾崎将司、中嶋常幸ら各選手が挑戦してきたが、全米オープンの青木選手(1980年)、松山選手(2017年)の2位が最高順位だった。

 男子ゴルフの頂点を極めた米国のタイガー・ウッズ選手は、松山選手に対して「メジャー大会で優勝するのは時間の問題だ」とその実力、将来性に太鼓判を押していた。日本のゴルフファンも、その日が来るのを心待ちにしてきた。

 松山選手は好不調の波はあったとしても、着実に経験を積み実力を伸ばしてきた。今大会前までに米ツアーでは日本選手としては最多の通算5勝を挙げ、メジャー4大会でも4回のトップ5入りを果たしてきた。

 しかし、日本の名だたる先輩ゴルファーが成し遂げられなかったメジャー制覇だ。最後はメンタルの強さが問われる。2位と4打差の単独1位でスタートした最終ラウンド。「朝からずっと緊張していた」と試合後吐露したように、その重圧は大変なものがあったと思われる。

 最終ラウンド終盤では、池に球を入れるなど苦しい展開となったが、精神的な強さを見せて2位を1打差で振り切った。松山選手は「僕が勝ったことによってこれから先、日本人が変わっていくんじゃないかなと思った」と述べているが、日本人にとって一つの突破口であることは間違いない。

 ウッズ選手も「今回の歴史的な勝利はゴルフ界に大きな影響をもたらすだろう」と祝福している。松山選手はマスターズにおけるアジア選手として初の優勝者でもある。ゴルフ界はもちろん、東京五輪・パラリンピックを控えたスポーツ界全体に大きな刺激となるに違いない。

 白血病を克服し、日本選手権の女子100㍍バタフライで優勝して東京五輪切符を獲得した池江璃花子選手が人々の感動を呼んだ。夢を諦めず目標に向かって努力し、困難を克服していく姿は、同じ病気と闘う人はもちろん、多くの日本人に勇気を与えてくれた。10回目のマスターズ挑戦でついに優勝を遂げた松山選手のたゆまぬ努力と向上心は、後に続く世代に大きな影響を及ぼすだろう。

 スポーツは精神的な支え

 松山選手のプレーを見て、改めてスポーツの素晴らしさ、可能性を認識した日本人も少なくないだろう。スポーツは国民の精神的な支えとなる。そういう点でも「人類が新型コロナを克服した証し」という意味合いも加わる東京五輪は、感染対策に万全を期して何としても成功させたい。