まん延防止拡大、移動自粛し第4波を防ごう


 都道府県をまたぐ移動を極力控えて、感染の第4波を抑えていきたい。新型コロナウイルス対策として大阪府など3府県6市に適用されている「まん延防止等重点措置」が、あすから東京、京都、沖縄の3都府県にも適用される。

 変異株が急速に拡大

 東京は23区と武蔵野、立川、八王子、町田、調布、府中の6市、京都は京都市、沖縄は那覇市など沖縄本島の9市が対象となる。期間は東京が5月11日まで、京都と沖縄が5月4日までで大型連休も含まれる。

 対象地域では飲食店への営業時間の短縮要請を午後8時までに前倒しするほか、適切な感染防止策がとられているか店舗の見回りを強化する。時短要請に応じない場合は20万円以下の過料を科すことが可能となる。イベント収容人数も上限が5000人となる。

 菅義偉首相は、政府の対策本部で「今後も各地で発生する波を全国規模の大きな波にしないため、地域を絞った重点措置を機動的、集中的に講じて感染を抑え込んでいく」と強調した。

 基本的対処方針では「不要不急の都道府県間の移動は極力控えるよう促す」ことが明記された。感染が全国的に拡大すれば第4波となるのは、これまでの経験から十分想定される。第4波を阻止できるか否かの鍵は、都道府県をまたいだ移動を極力減らすことにある。

 現在の感染拡大は、変異株の影響が大きい。西村康稔経済再生担当相は基本的対処方針分科会で、関西圏での新規感染者数の7割が変異ウイルスに置き換わり、東京都でも感染力が1・32倍とされる英国型が3割に達していることを明らかにし、変異株が急速に広がっていることに強い危機感を示した。

 そういう中で人々に「コロナ慣れ」の傾向が顕著に表れている。この週末も東京の繁華街など、若い人たちを中心に人出は減っていない。変異株は若い人々も比較的重症化しやすいとの情報もある。変異株の脅威に対する認識が特に若い世代に共有されていないのが懸念される。

 まん延防止措置によって、緊急事態宣言に近い対応が可能となる。しかし、両者のアナウンス効果、人々の受け止め方にはかなりの違いがある。

 まん延防止措置が人々の行動変容を促す上で十分な効果がなければ、3度目の緊急事態宣言を発令することを躊躇(ちゅうちょ)すべきではないだろう。対策分科会の尾身茂会長は「緊急事態宣言を出す可能性はある。ステージ4が視野に入ってきたら当然検討すべきだ」と述べている。

 政府関係者には、東京五輪開催への影響を懸念する向きもある。しかし、ワクチンが行き渡らない状況で、第4波の爆発的な感染拡大が起きれば、本当に五輪開催も危うくなってくる。

 全世代にワクチン早急に

 感染防止の切り札となるワクチンの高齢者への接種が12日から始まる。まん延防止措置などの対策は、医療提供体制とワクチン接種の時期をにらみながら、スケジュール闘争の観を呈しつつある。政府・自治体は総力を挙げて、できるだけ早くすべての世代にワクチン接種が行き渡るようにしてもらいたい。