共産党の党旗びらき 躍進の足腰きつい高齢化

増えない青年活動家

 昨年の衆議院議員選挙で日本共産党の議席が増加した。それを受けて、日本共産党の党旗びらき(1月5日)では、志位委員長が躍進を訴え、参加者全員で確認した。しかし、相変わらず都合のいいことしか表明しない内容で、候補者が自民党候補者と日本共産党の候補者しかいなかった地区が大量にあったために、反自民票、あるいは権威が嫌いな人だけの票が日本共産党に流れただけということなどには触れられていない。まじめな日本共産党員を駆り立て、自己犠牲を強い、国民をあざむく内容であった。

 志位委員長は、自共対決を前面に打ち出し、ついに安倍内閣の方針を「暴走宣言」と規定したが、ベテラン党員の賛意を得られるかどうかは不明である。志位委員長への忠誠を誓う40代までの世代は、自分の時間やお金を犠牲にして従うかもしれないが、ベテラン党員はついていけないと距離を置くだろう。

 党旗びらきの大きなタイトルは「綱領を指針にさらなる躍進に挑戦しよう」であるが、綱領には、共産主義のイデオロギーがたくさん述べられていて、共産主義社会の実現が目的とされている。戦争反対や格差社会解消などで国民の間に浸透を図っても、最終的には「綱領」に明記されている共産主義社会イデオロギーにいきつくわけであり、破綻は目に見えている。

 志位委員長は、一致点での共同による統一行動を広げようと呼びかけているが、日本共産党からの共同行動の要請は要注意である。日本共産党員は、イベントのチラシをたくさん配布してくれるし、イベントにも大量に動員してくれるが、内部で入党や赤旗の勧誘を積極的に行う。そもそもそれが目的でもある。綱領に共産主義の実現を目的とするなどのイデオロギー的な部分が多いのを理由に断るのが賢明である。

 日本共産党に青年党員は増加していない。断言できる根拠は、その規約に日本共産党綱領を学び、日本共産党を相談相手とし援助を受けると明記されている日本民主青年同盟(民青)の会員が増加していないことである。日本共産党は、青年党員が入党すると、民青に派遣することになっている。対応する民青のリーダーとなってもらうためである。日本共産党の宣伝物にあるイベント参加の青年たちの写真は、特に高い意識無く参加した、日本共産党を強く支持していない青年たちであろう。

 民青のウェブ・サイトを見ると、1月16日現在、今年になってから更新されていない。イベント案内も、昨年3月のものが最後である。活動報告も昨年6月に安倍首相に手紙を届けましたが最後である。民青が壊滅のままということは、日本共産党に青年活動家は増加していないのである。

収支報告が示す先細り

 各政党が選挙管理委員会に提出している政治資金収支報告書によると、ここ数年でも党員数の減少が続いている。たとえば、平成23年日本共産党長崎県委員会ののべ月党費納入者数は1万9605人、平成25年は1万8674人である。日本共産党杉並地区委員会は同年で、1万1100人から9539人である。12カ月で割って、たまにしか党費を納めない党員の数を差し引いた数が党費を納める自覚的な党員の数となる。長崎県委員会では70人近く、杉並地区委員会では45人近く2年間で減少したことになる。1人当たりの党費の納入額も平均で東京台東地区で609円、群馬県前橋地区で510円と高齢化による退職者の増加を裏付けている。東京都委員会の寄付金納入者の「あ」行のリストを見ても、半分以上が無職である。高齢化が進む日本共産党に未来はない。