日本の航空技術の復活 純国産戦闘機の開発を
「平成零戦」の誕生か
第2次世界大戦中に日本の零式戦闘機「零戦」は日本の航空技術・技術者達の努力・航空兵達の猛訓練の結合成果で、世界を震撼(しんかん)させた「奇跡の無敵金賞戦闘機」で、その栄光と末路の逸話は国際的に有名である。
更にゼロ戦を凌駕(りょうが)する「紫電改」、「疾風」、「震電」などの名機が登場したが終戦直前で活躍の機会は限られた。日本を焦土化した米軍重爆撃機「B29」必殺の能力を備えた「震電」の初飛行は終戦の僅か3日前だった(同機は戦後、米国が持ち去った)。
戦後、日本の航空技術を恐れた占領軍は日本の航空機製造と研究を禁止(日本は極秘で研究継続)。独立後の52年に解除され62年に優秀な国産旅客機YS11が製造され国内外で活躍したが諸事情で製造中止。以後、米国ボーイング社の開発に参加する。
現在、日本は官民共同で優秀な国産小型ジェット旅客機MRJが完成間近で15年中旬に初飛行予定で受注(現在407機)1000機を目指し輸出拡大も有望の由。戦後日本の航空機製造は米軍機のライセンス生産機以外は民間用で、防衛省は「中期防衛力整備計画」(2014~18年度)に米国製ステルス戦闘機「F35」28機、長時間続飛行可能な無人偵察機「グローバルホーク」3機、新型早期警戒機4機を輸入及びライセンス生産する。
一方、防衛省は国産無人航空機を開発して輸入機と共に災害対応と海上監視国防用に当てる。高性能機で移動式発射装置(例:北朝鮮)によるミサイル発射の動きも即座に把握出来る由。更に日本は欧米の最新鋭機と互角以上の国産ステルス戦闘機を開発する。15年1月に試験用エンジンで初飛行し、日本の最先端技術を結集した小型・軽量・強力な実戦用エンジン装備の完成機を2020年までに出す。あの世界最強「ゼロ戦」を懐古させる快挙だが次の三つの壁がある。
①「米国の壁」:最先端技術の戦闘機の覇権維持を望む米国の対日警戒(しかし現在、米国はハイテク軍事技術国日本の協力期待が本音)。②「開発資金の壁」:単独開発は1兆円以上の巨額開発費が必要。③「有人機は時代遅れ?」:今後は無人軍用機時代で時代遅れの巨費支出になる懸念。
しかし、日本が近年、輸出を要請した米国製世界最先端のF22ステルス戦闘機は最先端技術の流出を危惧する米国が拒否。また、軍事紛争で無人機編隊とロボット軍隊が交戦する時代は将来の想定で、現在は最先端の有人機と無人機両方の開発が必要で、最先端技術の結晶である有人・無人航空機の開発は経済的波及効果の恩恵も甚大である。
国防献金の提案
上記の「開発資金の壁」には戦前の「国防献金」の復活と来年の増税前に非緊急公共事業費の大節減による開発費への転用を提案する。「国防」というと直(す)ぐに反対する人達がいるが、東京都公募の尖閣諸島購入の寄付が直ぐに目標突破したように、殆(ほとん)どの日本人は国防献金の愛国心があると確信する。P・クルーグマン(ノーベル経済学賞受賞)は「アジアでは中国発の戦争危険性が大きい。それに備えよ」と警告する。
深刻な後遺症を予見すれば、日中軍事紛争は絶対に避けるべきだが相手次第で、紛争抑止力の装備が必要である。世界最先端の「日の丸戦闘機」の開発は、核装備無き日本の軍事紛争抑止力の有力な一環で、その短期・中期・長期での計画実行と成功に期待したい。