延伸したモノレール「ゆいレール」の課題


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄都市モノレール「ゆいレール」が10月1日、新たに4駅(約4㌔)で営業を開始した。開通日はさすがに混雑するため、その翌日に乗車してみた。

 新たな終点となったてだこ浦西駅へ車で向かった。モノレール延伸に併せて新たに整備された道路ではあったが、標識がなく駅を通り過ぎてしまった。

 やっとのことで浦西駅に到着したものの、そこには立体駐車場しかない。交通広場も工事中でバス停もない。周辺は未開発の広大な原っぱだ。キオスクもコンビニもなく、徒歩圏内には目立った観光スポットもない。当面はパークアンドライド以外の利用者は見込めそうもないようだ。

 ただ、駅舎の規模は従来のどの駅よりも大きく、欧州の鉄道駅を思わせる。駅改札を通り、構内天井の円形アートガラスは装飾が凝っていて、一見の価値がある。駅メロディーも旅を楽しいものにしてくれる。中でも浦西駅はテンポの速い沖縄民謡「ヒヤミカチ節」で、気分が高揚する。

 従来の終点である首里駅まで4駅を旅した。すぐにトンネルに差し掛かる。モノレールでトンネルを通るのは新鮮だ。子供たちは歓声を上げていた。

 次の浦添前田駅には3分後に到着。駅前が未整備で、急ピッチで工事が行われていた。実は、新設駅はそろって駅前広場と周辺道路が工事中だ。従って、モノレールから見える景色も工事現場ばかりだった。

 筆者が乗車したのは昼間の時間帯ということもあってか、乗客の大半は、パークアンドライドで延伸区間を試しに乗ってみたという人だった。地元の人々に定着するにはもう少し時間がかかりそうだ。

(T)