麻疹感染で観光に影響も


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県内では4年ぶりとなる麻疹(はしか)の感染が3月下旬に確認されて以降増え続け、4月17日時点で患者は計56人となった。県内で感染者数が2桁に上ったのは10年ぶりだ。

 沖縄県地域保健課によると、最初の感染が台湾人男性に確認された。それ以降、県は疑いのある約150人の検査を実施し、56人を麻疹と確認した。その中には、3月末に沖縄を旅行した愛知県の10代の男性も含まれている。

 国立感染症研究所によると、麻疹は感染力が強く、免疫がない集団に1人の発症者がいると、12~14人が感染するとされる。インフルエンザの約10倍の感染力だ。手洗いや通常のマスクだけでは防げず、感染後、10日程度の潜伏期間を経て、発熱や咳、鼻水などの症状が現れる。

 県は麻疹の可能性がある場合、医療機関に連絡した上でその指示に従い、受診するように呼び掛けている。沖縄での感染拡大を受け、厚生労働省は全国の自治体に通知を出し、医療機関に注意を呼び掛けた。

 また患者を受け入れている病院は、院内感染を防ぐために、不要不急の面会を控えるよう求めた。

 しかしながら、個人と団体の旅行客のキャンセルが出るなど、すでに観光への影響が出始めているという。

 沖縄県は観光客向けに「はしかに関するQ&A」を作成し、「ワクチン接種していれば感染は防げます」とした上で、こう注意喚起している。

 「麻疹の感染力は極めて強く、麻疹の患者さんと同じ空間にいたり、すれ違ったりするだけでも感染する可能性があります。麻疹が流行している地域では、麻疹の患者さんが人混みに紛れていることも考えられ、むやみに人混みに入ることは麻疹に感染するリスクを高めてしまいます」

(T)