コザに再び賑わいを
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
昨シーズン、セリーグを制覇した広島カープの選手らが2月25日、第2次春季キャンプ地のある沖縄市コザゲート通りで優勝パレードをした。沖縄市では、1991年のリーグ優勝を祝福して翌92年の春季キャンプ中に行われて以来、2度目となる。
パレードは距離にしてわずか300㍍。開始2時間前から沿道は赤いユニフォームを身に付けたファンやカープのうちわを持った人々など、1万5000人(主催者発表)でぎっしり埋まっていた。
パレードでは、緒方孝市監督、丸佳浩外野手らがオープンカーに乗ると、その後方にジョンソン投手、堂林翔太内野手ら選手、さらにコーチ陣らが並んだ。
黒田博樹投手も引退し、鈴木誠也外野手ら3選手はWBCキャンプ参加で不在にもかかわらず、熱狂的な歓迎ぶりだった。
パレードを終えると、選手らはステージに上がった。緒方監督が「キャンプ地を整えてくれた沖縄市に感謝します」と述べた。「今シーズンはリーグ制覇と日本一を目指す」と宣誓すると大きな拍手と声援が送られた。商工会議所関係者も、「コザではないみたいだ」と盛況ぶりに感激していた。
別名「空港通り」のコザゲート通りは、米空軍嘉手納基地のゲートにつながる沖縄市中心部コザ地区に位置する国際色豊かな通りだ。ベトナム戦争の頃は戦争特需で県内で最も賑(にぎ)わっていたとされるが、近年、人通りも少なく、シャッター通りと化していた。「この賑わいを一過性のものにしたくないね」と前出の関係者。
一方、日本一に輝いた日本ハムのキャンプ地、名護市はパレードをしなかった。沖縄市以上にシャッターが目立つだけに、沖縄市のような取り組みをしてほしかったとの声も。(T)