自民・二階幹事長が訪沖


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 自民党の二階俊博幹事長が13日から2日間の日程で沖縄入りした。二階氏は幹事長に就任後、全国の都道府県連訪問を沖縄からスタート。下村博文氏ら3人の幹事長代理らも同行し、沖縄重視の姿勢をアピールした。

 14日には、翁長雄志知事と会談した。その際、翁長氏は政府との関係について「米軍基地との関係で厳しいものがある。信頼関係の構築で配慮がない。自民党で斟酌(しんしゃく)いただき、議論がスムーズにできるよう取り計らいをお願いしたい」と要請した。

 これを受け、二階氏は「難しいことはたくさんあるが互いに協議して乗り越えていく。沖縄の皆さんが過去から今日まで日本の平和のために協力いただいたことを思えば、私たちがお応えをする番だ」と応じた。

 翁長氏は知事に就任して以来、沖縄基地負担軽減担当を兼任する菅義偉官房長官と何度も会談しているが、平行線をたどったままで、お互いに歩み寄れずにいる。

 これに対し二階氏は、党の副幹事長5人に沖縄を担当させるなど、党として沖縄を重視する姿勢を示した。これについて県幹部は「久々に沖縄に理解を示す人が出てきた」と手応えを感じている。

 ただ、自民県連幹部は「二階幹事長は、辺野古移設や振興予算で政府の方針に反する行動は取らないはずだ」と述べ、二階氏の真意をつかみ切れずにいる様子だ。

 辺野古移設をめぐり、国から訴えられた裁判で県が敗訴した。ある公明党議員は、「翁長氏は敗訴することを想定しながら、数々の振興策を政府から引き出そうとしていたのであれば、それはそれで評価できる部分もある」と述べた。(T)