初の18歳選挙で若手が勉強会
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
選挙年齢が18歳に引き下げられてから初めての選挙となった参院選。政治、経済、国際社会の中心で活躍したいという志を持った大学生ら若者を対象とした勉強会が開催された。
主催したのは、若手実業家で沖縄公共政策研究所の安里繁信理事長が塾長を務める沖縄政経塾。安里氏は、同時多発テロをきっかけに政治に関心を持ったという。「米軍基地があるから沖縄もテロのターゲットになるかもしれない」といううわさから、団体旅行や社員旅行のキャンセルが相次いだため、「那覇の市街地から観光客がいなくなった」と振り返った。その上で、「風評被害の怖さ」ならびに「政治と経済は両輪である」ことを確信したと言う。
ゲストには若手議員2人が参加した。
沖縄市選挙区選出の花城大輔県議は「沖縄市でも米軍外出禁止令が出たため、年間数億円の稼ぎがあった店などがつぶれた。地元の店主は何も悪くないのだから、何とかしなければならない」と述べた。また、「国際カーニバル」と銘打ったイベントに米軍司令官が呼ばれないなど、イデオロギーが優先する風潮を批判した。
海兵隊基地と空軍基地が所在する北谷町の渡久地政志町議は、何かが起きれば必ず「国のせい」とする体質に疑問を呈した。
選挙期間中には沖縄尚学高校が伊波洋一氏、島尻安伊子氏、金城竜郎氏の3人の候補を招いて模擬投票を行った。高校生は3人から直接、政策を聞いた上で投票。その結果、自公推薦の島尻氏の得票が最も多かった。
実際の選挙では、若い世代では島尻氏と伊波氏が拮抗(きっこう)し、40代以上は伊波氏が圧勝するという結果になった。若者の投票率が上がれば、中道保守の巻き返しは可能なのかもしれない。(T)