龍柱撤去求め訴訟も視野
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
那覇市が若狭に建設中の「龍柱」に関して「住みよい那覇市をつくる会」の金城テル代表は18日、花とみどり課に対して住民監査請求を行い、龍柱の速やかな撤去と建設費用の返還を前市長の翁長雄志知事と城間幹子市長に求めた。
龍柱は一括交付金を活用し、前年度内に完成される予定だったが、資材調達の遅れや石にヒビが入っていたことなどから工期が大幅に遅れ、総工費は約2億6700万円から3億3000万円に大幅に増額された。
金城さんは、「計画も予算組みもすべてずさん」と市当局の対応を批判した上で、「覇権主義の中国は沖縄を自国の領土であるかのように振る舞っている状況下で、中国侵略のシンボルと見なされかねない龍柱は那覇市の玄関口にふさわしくない」と主張した。
龍柱が那覇市と中国福州市との友好40周年記念事業であることについて金城さんは、「友好のシンボルならば、福州市に日本のシンボルである鳥居を建てさせるべきだ」と訴えた。
さらに、龍柱を支える支持杭は強固な支持層がある地下50㍍の半分しか届いていないことについて「明確な説明がない。現在の技術力で杭を打ち込めない理由はない」と抗議。「緊急避難場所である若狭海浜公園に危険としか言いようのない柱を立てていいのか」と詰め寄った。
使用している中国産の花崗(かこう)岩についても、「上質なはずのものになぜヒビが入り、コーティングまで施さなければならないのか」と指摘した。
龍柱建設に反対する署名はこれまで3万筆近く集まったという。高さ15㍍の龍柱が積み上げられたことを受け、今後は撤去を求める運動に入るという。監査請求の結果次第では、住民訴訟も辞さない構えだ。(T)