辺野古区民の民意は無視か


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 普天間代替施設先の辺野古区商工社交業組合はこのほど、「反対派集団による無秩序な違法駐車や違法占拠の異常とも思える反対運動に、基地内の兵隊は、夜間はもとより昼間の外出ができない」と辺野古区長や名護市長に善処を求める要求をした。

 区の水源に立小便をする、コンビニでトイレだけを利用する、基地従業員がキャンプ・シュワブのゲート付近で車を叩かれた、ゲート前で送迎車両がUターンして危ない――など苦情が絶えないという。

 また、辺野古区の若者らは今月に入り、フェンスに不法に貼り付けられた横断幕などの工作物を除去しようとすると、市外・県外の基地反対派に取り囲まれるなど脅迫を受けた。

 こうした中、 那覇市議会(金城徹議長)は16日の臨時議会で、政府に移設断念を求める意見書を提出した。

 「地域主権を守る立場から、沖縄の民意を踏みにじる政府の姿勢と翁長知事の作業停止指示の効力を一時停止した政府に抗議し、新基地建設の断念を強く求める」というもの。

 これに反対したのは自民党会派のみ。奥間亮議員は、移設容認派が過半数とされる辺野古区民はここで言う「地域主権」に含まれているのかと問いただした上で、①「新基地」という表現は不適当②日米合意を断念させることは普天間飛行場の返還を遅らせる③市が特定の法解釈を変更できない――などの理由から反対した。

 翁長雄志知事が17日、安倍晋三首相と初会談し、昨年の選挙で「辺野古新基地反対という圧倒的民意が示された」と強調したが、その圧倒的民意に地元の辺野古区民の民意は含まれていないのは明らかだ。(T)