エンタメと発信力強化


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 第7回沖縄国際映画祭「島ぜんぶでおーきな祭」が3月下旬、沖縄本島で開催された。その一環として、沖縄におけるエンターテインメントについて考えるパネルディスカッションが那覇市の新たなエンターテインメント施設「ハピナハ」のよしもと沖縄花月で開かれた。

 リウボウホールディングスの糸数剛一社長は「沖縄の基幹産業である観光に今後、必要なのは海などの自然だけでなく、いろんなカテゴリーのエンターテインメント」と述べ、娯楽分野の発展に期待を示した。

 また、「沖縄は何でもいいものを取り込むチャンプルー文化があり、アジア各国に近い地の利を生かして沖縄を居心地のいい場所にしたい」と意気込んだ。

 沖縄公共政策所の安里(あさと)繁信理事長は「野球少年はプロ野球キャンプで、また、芸能を志す人は映画祭で本物の文化に触れながら成長する」と話し、沖縄での人材育成の重要性を説いた。

 一方、健康をキーワードに沖縄を楽しませることを考えているというハーバード大医学部の根来(ねごろ)秀行客員教授は「気圧が低い沖縄では副交感神経が優位になることで、老廃物が排出しやすくなり、体の本来の力を引き出しやすくなる」と、癒やしの効果を科学的に説明。沖縄の魅力を国内外からの来場者にアピールした。

 IT分野を牽引(けんいん)するグローバル企業の専門家らは、ネットなどの新しい技術を使って沖縄の素晴らしいコンテンツを世界に発信すれば沖縄の観光も産業もますます発展していくだろうと見通しを述べた。

 参加者は、沖縄の魅力を発信できる人材を育成することが急務だという意見で一致した。(T)