ヘイトスピーチ考える講演会
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
「テキサス親父」として知られる米国人の作家・評論家トニー・マラーノさんが2日、那覇市の沖縄県男女共同参画センター「てぃるる」で講演会を開き、約270人が参加した。主催したのは、「平和とヘイトスピーチを考える会」(手登根安則実行委員長)で、マラーノさんの沖縄講演は初めて。同会場では5月、左翼系のヘイトスピーチを考えるシンポジウム(主催・沖縄弁護士会)が開かれたばかりだ。
英国の環境保護団体シーシェパードの活動に対する矛盾から日本に対する関心が高まったというマラーノさんは、捕鯨活動や慰安婦問題で日本を擁護する言論活動を展開している。
マラーノさんは講演会に先立ち、米軍普天間基地(宜野湾市)の大山ゲートに足を運び、基地反対派による軍人や軍属に対するヘイトスピーチを目の当たりにした。反対派に抗議するのではなく、「歌を歌ってその場の雰囲気を和ませようとした」という。
「私は中国人や韓国人を嫌っているわけではない。嫌いなのはイデオロギー。架空の被害者をでっちあげ、被害者救済ビジネスを展開し、金儲けをしている連中が許せない」
「アメリカ人は慰安婦問題や南京事件などのプロパガンダはあまり気にしない。メード・イン・ジャパン(日本の製品)の良さや優れた国民性を知っているからだ」と語り、歴史認識にこだわるより未来志向の大切さを訴えた。
最後に「日本は敗戦直後、焼け野原となり天然資源も乏しかったが、戦後、世界第2位の経済大国になった。それは日本人が素晴らしいからである。日本人は日本にもっと誇りを持ってほしい」と締めくくった。(T)