常に進化する沖縄そば、バリエーション豊かに
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
17日は「沖縄そばの日」。そば粉を使わなくても「そば」と表示できるよう沖縄生麺協同組合が粘り強く交渉し、「本場沖縄そば」として商標登録が認められた1978年の同日を記念している。
麺の原材料は小麦粉。スープは、豚骨だしに、カツオの削り節で香りをプラス。具は、復帰前の60年代頃は、かまぼこや豆腐が主だったという。
今は、三枚肉、ソーキ(あばら肉)が定番だ。それに刻みネギと紅ショウガをトッピングするのが一般的。個人的には、沖縄で「フーチーバー」と呼ばれるヨモギをたっぷり乗せて食べるのが好きだ。
市販の「沖縄そば」はどれを食べても大きな違いはない。ラーメンと同様、袋入りやカップ入りのインスタント沖縄そばも販売されているが、どれも大差はない。
だが、最近はバリエーションも豊かになってきた。
沖縄の食品製造販売会社「オキコ」(西原町、銘苅敏明社長)はこのほど健康志向のニーズに合わせ、「全粒粉入り沖縄そば」を発売した。県内市場で流通する沖縄そばでは、初めての試みだ。また、もずくを練り込んだ麺も売られている。
食堂でも特色ある沖縄そばが少しずつ増えてきている。ゆし豆腐(おぼろ豆腐)やもやしを大量にトッピングしたり、担々麺のような濃厚スープ、トマトスープ、カレー味、さらには、激辛スープとバリエーションは盛りだくさん。個人的なお気に入りは、豚のモツとこんにゃくがたっぷり入った「中身そば」だ。
こうした沖縄そばを「邪道」として認めない人も中にはいるが、料理というものは時代の流れとともに常に進化するものだと思う。
(T)