菅首相は有言実行型のストイックな政治家
沖縄施策でリーダーシップ発揮、仲井眞弘多元知事に聞く
安倍政権の官房長官時代も、首相になってからも沖縄のためによく現行の沖縄振興計画をはじめとする数々の沖縄施策をやってくれた。やると言ったことは極めてストイックに、きちっとやってくれるタイプだった。単なるリップサービスではなく、確実に実行してくれた。コロナ禍で難しい時期ではあったが、ここで辞めるのは本当にもったいない。
約束したことを実行することで、国際的にも信頼が高かったと思う。新型コロナウイルス感染からの回復が日本全体で大変だが、菅さんにしかできないと思っていた。こうした中、東京五輪・パラリンピックも成功させ、沖縄にも希望を与えてくれた。
現場主義を徹底して人事を行ったが、その典型的なものが、2013年の海上保安庁長官の人事だった。従来のような事務系出身ではなく、現場の人(制服組)から選んだのは立派な功績。日本にとっては画期的なことだった。現場を知らない人が現場を担当する部署のトップに立ってはいけない。
特に思い出が深いのは、那覇空港の第2滑走路建設だ。これは菅さんのリーダーシップで実現できた。基地負担軽減では、現地に出向くなど前面に出て、話を聞きながら進めてくれた。
沖縄の経済は47番目の末席からぐいぐい上がっていく途中でまた下がった。再び沖縄が上がるためには、次の総裁を選ぶに当たり、菅さんのような実行型の政治家がいい。ビジョンを語るのは誰でもできる。安全保障の強化、国家財政の健全化、経済成長、感染症対策を含めた自然科学と人文科学の強化など、国が克服すべきべき課題は多い。