ビジネスと教育での方言「しまくとぅば」はアリ?


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 県の調査で、沖縄の方言「しまくとぅば」を使うと答えた人の割合は、これまでで最も低い4割余りにとどまった。

 県は、平成25年度(2013年度)「しまくとぅば普及推進計画(10カ年計画)」を策定し、普及継承に取り組んでいる。その一環として、同年から、しまくとぅばについてのアンケート調査を行っている。

 昨年度は、県民から2021件の回答が集まった。しまくとぅばを「主に使う」と答えたのは3・6%、「共通語と同じくらい使う」は17・7%、「あいさつ程度に使う」は21・9%。合わせて43・2%となり、前の年度よりも13・5ポイント減少して、調査開始以来、最低となった。

 一方、しまくとぅばに対して「親しみがある」という回答は84・4%と、過去最高となった。ただ、10代では58・4%で、年代が下がるほど親しみがなくなる傾向が明らかになった。

 ビジネスや公共の場で、しまくとぅばを使うことについて、肯定的な回答は42・6%と、前回より4・7ポイント減少。学校の授業科目に「しまくとぅば」を加えてほしいという回答は11・1%だけだった。

 子供がいる家庭のうち、家庭内でしまくとぅばを教えているのは49・8%と、前回より7・9ポイント少なくなった。県担当課は、スマホの普及に加え、コロナ禍で家庭内外で会話の機会が減ったことも影響していると考えられると指摘した。

 方言の現状は、全国どこでも同じような傾向だろう。ただ、沖縄県は「郷土愛を高めるためにしまくとぅばの普及は重要」と認識。県の担当課は「しまくとぅば普及に向けて工夫していきたい」と話している。

(T)