事故防止のため海水浴は指定区域で楽しもう
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
昨年1年間に沖縄県内で発生した水難事故は85件(速報値)で、過去10年では2016年と並び最多となった。県警のまとめによると、死亡・行方不明者数は43人で、2番目に多かった。事故件数は前年比で16件、死亡・行方不明者数は同5人増えた。
県警当局は「新型コロナウイルスの影響で、密を防ごうと海に出掛けた人が増えた」ことが事故増加の原因と分析した。85件のうち沖縄在住者は53件で、全体の6割を超える。そのうち、釣りや潮干狩りなどの「魚捕り」での事故は22件と、前年の2倍となった。コロナ禍ならではの特徴だ。
一方、マリンレジャー関連の事故は、ほとんどが観光客によるものだ。観光客が激減した影響で減少傾向にある。とはいえ、事故の8割が6月から10月までの5カ月間に集中している。海上保安庁第11管区(那覇)によると、遊泳中の事故者数は29人で、前年の48人を大きく下回った。死亡者・行方不明者も8人から2人に減少した。
18年から20年の遊泳事故のうち、88%は海水浴場以外で起きている。ライフセーバーがおらず、海にはネットなどの囲いがないため、漂流したり海洋生物によって刺傷されたりするリスクが必然と高くなる。シュノーケリングによる事故も、業者を介さずに個人で行った際の事故が大半を占めている。
県警は、コロナ禍で人気(ひとけ)を避けるため、設備の整った海水浴場ではなく、穴場とされる天然ビーチに行こうという考えに及ぶ場合があるのだろうと推測する。
第11管区は、水難事故のリスクが高いリーフカレント(離岸流)スポットなど、マリンレジャーを安全に楽しむために必要な情報をホームページに掲載している。出掛ける前には確認することをお勧めしたい。
(T)