「まん延防止」で幻となった聖火リレールート


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県で新型コロナウイルス感染が拡大し、ゴールデンウイーク明けまで「まん延防止等重点措置」が適用されることに伴い、5月1日と2日に予定されていた東京五輪の聖火リレーにも影響が及んでいる。

 本来、離島を含めて沖縄県内12市町村をリレーする予定だったが、糸満市の沖縄県平和祈念公園と名護市民会館周辺に走者が集まって、無観客でリレーを行う寂しい内容になった。しかも、一昨年秋に焼失したとはいえ、沖縄の象徴である首里城までルートから外れている。

 ここで、予定されていたルートを紹介してみる。

 1日は那覇市の首里城公園を出発し、世界遺産に登録されている首里王家の墓陵「玉陵(たまうどぅん)」に到着。宜野湾市を経て、離島の石垣島で走行。そして沖縄本島中部の沖縄市、うるま市、名護市へと北上する。

 名護市の嘉陽地区は、1964年の東京五輪の聖火リレーの際、種火の「宿泊地」となった。それを記念する聖火台がある同地区は、今回のコースに含まれていた。聖火はさらに、本部町の海洋博公園まで北上し、名護市民会館に戻ってくる。

 2日は、空手の発祥地であることを踏まえ、豊見城市の沖縄空手会館を出発。浦添市を通過し、慶良間諸島の座間味島に渡る。沖縄本島中部の北谷町を経て宮古島でリレーする。

 再び沖縄本島に戻ると、南城市を経てゴールとなる糸満市の沖縄県平和祈念公園に至り、そこで聖火の到着を祝う式典が行われる。

 なお、聖火リレーは、離島の石垣市と宮古島市、座間味村だけは予定通り実施されるが、地元住民以外の見学は控えるよう呼び掛けている。

 本来のコースをイメージしながら、少しでも五輪に向けて気持ちを高めたいと思う。

(T)