リモートで韓国とつなぎ、日本語弁論大会を開催
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
韓国人学生による第7回日本語弁論大会(主催・韓日経済文化交流会=イム・ヨンホ会長、日韓経済文化交流会沖縄=竹林春夫会長)が17日、開かれた。コロナ禍で渡航制限が敷かれているため、14人の弁士は入国できないため、リモートで韓国とつながった。弁士以外の関係者や審査員は那覇市の沖縄尚学高校に集った。
優勝したウン・ユビン君(高2)は、日本の女性アイドル歌手をきっかけに日本語を学び始めた。AKB48や昭和時代のアイドルへの愛情を体いっぱいに表現し、審査員や聴衆の笑いを誘った。
自らいじめられた体験を包み隠さず話した中3女子は、欧州ではコロナ禍の影響から、アジア人であるだけで差別されている現状を説明し、「世界中でいじめや差別がなくなりますように」と願った。
来年こそは日本や沖縄に来たい、という強い思いが感じられるスピーチも目立った。
高3女子は、「コロナ禍の影響で日本旅行が実現できなかったが、来年以降のために調べるだけでも楽しい気持ちになった」と話した。韓国には祭りがないので、京都の祇園祭を楽しみたいという。
日本の大学に進学したものの、訪日がかなわなかった大学生も参加。オンライン授業を余儀なくされた無念さを語った。
演説はこれまで日韓問題に関するものが多かったが、全世界がコロナ禍にある今年は、コロナ問題、環境問題、人種差別問題といった現代の世相を反映したものが多かった。審査員の一人、沖縄尚学高校の宮城直人国語科教諭は、「個人の経験や問題を社会や現実世界に広くつなげた」と評価した。
最後は、リモート環境の中で工夫しながら表彰式と記念撮影も行い、来年は沖縄で開催することを誓い合った。
(T)