下地幹郎議員の釈然としないIR疑惑弁明会見


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業に絡んだ汚職事件で、秋元司衆院議員(自民党を離党)が逮捕されたことに続き、沖縄選出で維新の下地幹郎衆院議員も、中国企業「500ドットコム」からの現金受け取りを認めた。IR議連副会長でもある下地氏は、沖縄在住で同社元顧問の紺野昌彦容疑者から100万円を受け取ったが、政治資金収支報告書に記載しなかった。

 下地氏は1時間以上にわたって記者会見を開いたが、釈然としない点が幾つかある。

 紺野容疑者がIR関係者であると認識していながら、07年の衆院選期間中に献金を受け取ったという。しかも、「紺野氏が『領収書はいらない』と強く言ったので領収書は発行しなかった」というが、これだけの金額を領収書なしでなぜ受け取ったのか。

 沖縄県は翁長雄志前知事が、カジノを含めたIRはやらないと正式に明言していたため、実現の可能性は低かったと言われる。それなのに、業者側は下地氏を100万円で動かし実現できると思ったのか。

 下地氏は1996年の衆院選に初出馬し自民党公認で当選。その後、国民新党に所属し、民主党政権では郵政民営化担当相を務めた。与野党を超えた人脈を持ち、菅義偉官房長官とは初当選が同期だ。今回、所属していた維新に離党届を提出したが、8日には、党から除名処分を受けた。

 沖縄では、中国が尖閣諸島のみならず、県内の土地や建物などの不動産に触手を伸ばしているとの噂が絶えない。下地氏以外にも名前の挙がっている関係議員もいるが、中国の浸透工作には警戒しても警戒し過ぎることはないはずだ。

(T)