今も主流は数え年


地球だより

 こちらでは年が明けると一斉に年齢が一つ上がる数え年を使っている。古くから日本でも数え年が使われてきたが、もう満年齢に統一されて久しい。数え年は生まれた瞬間に1歳なので、同い年でも満年齢の人より2歳上の期間が必ず生じる。赴任したての頃は筆者もこの数え年で年齢を数えられ、複雑な気持ちになったものだ。実年齢より若く見えたがる心理があるのに、数えでは逆に実年齢より1歳か2歳年上扱いされるからだ。

 しかし、韓国人は年上である方が相手に対し先輩風を吹かせられ心地よいという心理がどこかにある。1歳でも年上か年下かで話し言葉や接し方が真逆になる。その関係性が韓国より緩い日本に来た韓国人が年下からいつまでもため口を利かれ、ついに腹を立てたという話はよく聞く。日本では親しくなればある程度、年齢差があっても年下が年上に向かって敬語を使わないこともあり得るが、韓国で同じことをすればまず問題になる。

 筆者が仕事で厄介なのは韓国人の年齢を満年齢で把握したいとき、こちらの報道ベースでも数え年が使われるため、そのまま使うことができないこと。いちいち正確な生年月日を調べなければならない。以前ある韓国人記者が「私たちも満年齢を使うべきではないですか」と先輩記者に尋ねる場面に居合わせたが、「うーん、そうだね~」と受け流されただけだった。あれから十数年たったが、今も数え年が主流だ。

(U)