慰安婦にとどめず沖縄まで手を広げる「挺対協の対日工作」報じる文春

◆北朝鮮影響下の団体

 新年早々、メガトン級の「芸能人不倫スキャンダル」を投下して大注目を浴びている週刊文春(1月14日号)だが、爆風の強さに他の記事が霞んでしまっている。“ゲスの極み”な話のほかにも、「古舘伊知郎『報ステ』降板、本誌だけが書ける全真相」や「韓国慰安婦『支援団体・挺対協』の対日工作」など、読ませる記事がある。

 「古舘降板」では、「“報道キャスター”という偽りの仮面をかぶり続けてきた」だとか、「本来ジャーナリストではない彼は、その仮面の窮屈さに耐え切れなくなった」などと、「テレ朝幹部」のコメントを使って、古舘氏をこき下ろしているが、彼が現役を続けていくならまだしも、辞めていく者に土をかけたところであまり意味はない。

 それに「真相」といっても、結局はテレ朝内部の人事異動などに起因しているようで、12年もたてば、人も環境も気持ちも考えも変わる。むしろマンネリ化や硬直化を避けようとするなら、番組改編は当然のことで、トップに持ってくるほどの記事だったのだろうか。

 むしろ、今後も騒ぎの元となり続ける「挺対協の対日工作」の方が記事の重要度は高い。同誌は以前から、「慰安婦」を“支援”する「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が北朝鮮の強い影響下にあることを報じてきた。

 「挺対協は『北朝鮮工作機関と連携し、北朝鮮の利益を代弁する親北団体』として韓国当局からマークされてきた。代表の尹氏の夫やその妹は、北朝鮮のスパイとして逮捕された過去があり、12年にも政府の承認を得ずに北朝鮮の団体と共同声明を出したことについて違法行為だと行政処分を受けている」という。

◆次第に活動を広域化

 村山首相の時、アジア女性基金を設立したが、「償い金と医療福祉支援費で合わせて五百万円」の受け取りを妨害したのが挺対協だ。「受け取りを拒否するよう元慰安婦を説得して回った」というが、彼らの目的が“支援”にないことを自ら露呈させた。

 さすがに韓国社会も挺対協の“正体”に目を瞑っていくことができなくなっているようで、同誌は「近年、韓国国内でも『挺対協は問題解決の障害』とする見方が広まりつつある」と紹介する。

 しかも、看過できないのは「学生団体」を組織し、次第にその活動が活発化、広域化していることだ。日韓合意に反発した学生が日本大使館が仮住まいするビルに「不法侵入」して騒ぎとなった。彼らこそ、挺対協の傘下団体「平和ナビネットワーク」、通称「ナビ」だ。「ナビ」とは韓国語で蝶(ちょう)のこと。

 さらに、挺対協とナビは“闘争目標”を慰安婦だけにとどめず、「沖縄」にまで手を広げている。「辺野古のキャンプ・シュワブ前で行われている基地建設反対の座り込みにナビの学生二十人が参加」していたというのである。

 沖縄の基地反対と慰安婦と何の関係があるのか。浮かび上がってくるのは、反日攻撃と米軍基地反対である。これらで利益を得るのは北朝鮮だ。挺対協と傘下のナビが北朝鮮と“密接な連携”をとっていることの明白な“証拠”と見えなくもない。

 同誌には引き続き、挺対協の正体と目的を繰り返し報じて、日本国民と、それから善良な韓国民に警鐘を鳴らしてほしい。何よりも、日本の学生を巻き込もうとしている点には目を光らせておくべきである。

◆「動物商」の世界紹介

 話題変わって、休日家族連れで賑(にぎ)わう動物園、水族館。ここで展示されている動物には莫大な経費が掛かっている。飼育費ではない。購入費だ。週刊新潮(1月14日付)が「ライター飯田守」氏の「世界を股に『動物商』最前線」の記事を載せているが、「シャチが5億円」とか「ゴリラ1億2000万円」と目の玉が飛び出るような値段に驚く。

 動物の入手には、野生を捕獲して輸入する、海外を含め他の動物園・水族館から購入する、繁殖させる、の方法がある。繁殖といっても近親交配を避けるために、「嫁(婿)選び」は海外も視野に入るそうだ。

 動物の売買に関わっているのが「動物商」で、彼らは情報が命とばかり「24時間体制」でチェックしているという。高額で輸入した動物でも、すぐに死んでしまうケースもあり、動物が子供たちの笑顔に出会うまでにとてつもない労力と経費が掛かっているのだ。動物ビジネスというあまり知られていない世界を紹介した良記事である。

(岩崎 哲)