低体重児の出生率9.6%出産前教育の充実を
昨年12月、国立社会保障・人口問題研究所公表の『先進国における子どもの幸福度』報告書によると、「物質的豊かさ(子どもの貧困率)」の分野では確かに低い数値だが、「教育」「日常生活上のリスク」の分野で1位。総合的にみると日本の子供の幸福度は31カ国中6位という、世界トップクラスにあることが分かった。
報告書で最も気になったのは、低体重児で生まれる子供の割合が日本は突出して高いこと。米国疾病管理予防センターによると2500㌘未満で生まれる子供の割合は日本は9.6%。ギリシャと並んで27カ国中で最も高い。過去30年間で低体重児の割合が日本はほぼ倍増した。これは先進国の中で特異な現象という。その理由に妊娠中の厳格な食事管理や女性の喫煙・飲酒の増加などを挙げている。さらに不妊治療による多胎や子宮機能の低下した高齢出産の増加が背景にある。
日本は低体重児対策として、まず新生児集中治療室の充実が急がれる。その上で大事なことは、女性が心身の健康や出産に関して正しい知識を持つこと。出産前教育を充実させることによって、出産のリスクをできるだけ軽減させていくことであろう。