大学入試、点数主義から能力や意欲など重視へ


 

23h9278

 平成2年度から始まった大学入試センター試験に代わって、新たに大学教育を受けるために必要な能力を判定する「到達度テスト」導入が検討されている。点数主義の学力試験を是正、能力・意欲・適性など総合的に判定し、若者の能力を最大限に伸ばせるようにするのが狙い。  センター試験はもともと高校段階の基礎的な学習の達成度を判定する目的で国公立中心に始まった。年毎に私立大学の参加が増え、平成25年度は国公私立840大学、入学志願者の73.4%が参加する大規模なもの。

 55万人が受験するため、準備する大学側の負担も増し、トラブルが頻発した。回数を重ねるごとに、基礎学力の域を超えた難問奇問が受験生を悩ませた。1回限り1点刻みのペーパー試験で合否判定するのはどうかという批判が高まった。

 グローバル化の中、学力偏重の入試制度では対応できなくなってきた。新制度は点数ではなくレベル評価とし、複数回受験を可能とするなど、欧米方式も参考にしている。

 課題は数値化しにくい能力や意欲や適性を面接や論文等でどう判定するか。大学側に総合的に判断し選ぶ力が求められる。また志願者側も何を学びたいのか、志望動機が問われてくる。