「自分で親の世話したい」日本の高校生、4割切る
国の違いや宗教の違いに関わらず、親孝行は大切な徳目になっている。特に高齢化が進む日本では、家族が高齢者を支えることの重要性が増している。
だが、国立青少年教育振興機構が公表した「高校生の生活と意識に関する調査報告―日本・米国・中国・韓国の比較―」によると、将来、高齢の親を世話したいという割合は、日本が4カ国中もっとも低かった。
調査は昨年秋に行った。日本の高校生は、「自国で暮らすことに満足している」と回答した割合が9割を超え、4カ国中最も高かった。その一方で、「どんなことをしてでも自分の親の世話をしたい」という割合は4割を切り、最も低かった。最も高いのは中国で9割弱。米国と韓国は5割を超えた。
また、「経済的な支援をするが、世話は家族や他人に頼みたい」は、中国と韓国はそれぞれ6.3%と7.3%だったが、日本は21.3%で、米国(19.3%)と並んだ。
一方、「弱い者いじめやケンカをやめさせたり、注意したこと」があるのは、米国が最も多く6割を超えた。また、中国と韓国も5割を超えたが、日本はこれも最も低く、3割に達しなかった。道徳教育を疎かにしてきたツケと言える。