生後1カ月以内の虐待死7割近くが「望まぬ妊娠」


生後1カ月以内の虐待死7割近くが「望まぬ妊娠」

過去10年間に虐待で死亡した子供の年齢

 厚生労働省が先月発表した「子ども虐待による死亡事例等の検証結果」によると、過去10年間に虐待で死亡した子供は546人に上っている。

 このうち2割にあたる111人が生後1カ月以内に死亡。うち94人は24時間以内に死亡していた。

 生後1カ月以内の犠牲者の実母のうち74人(66.7%)が「望まない妊娠」だったという。また、44人(39.6%)は10代での妊娠・出産を経験していた。

 実母の年齢を見ると、「19歳以下」が28人(25.2%)と最も多いが、「35~39歳」も23人(20.7%)。全てが望まない妊娠というわけではないが、「望まない妊娠=10代」とは必ずしも言い切れない状況がある。

 実母の多くは祖母(自分の母親)等と同居していながら、医療機関ではなく自宅などで一人で出産しているケースが多い。

 報告書は、妊婦が孤立しないよう行政機関の相談・支援体制の整備や、性に関する正確な情報提供、妊娠・出産について責任を持った判断ができるようすべきだと述べている。

 しかし、それだけでなく、結婚と妊娠・出産、子育ての価値を教育によってもっと啓蒙しなければ、望まない妊娠を防ぐのは難しいだろう。