年々増加する非正規教員 求められる勤務環境改善


年々増加する非正規教員 求められる勤務環境改善

公立小中学校の正規・非正規教員の推移

 小中学校の非正規教員の数、割合ともに年々増加傾向にある。非正規教員は平成17年8.4万人(12.3%)だったが、平成24年は11.3万人(16.1%)に。11.3万人のうち、臨時的任用(常勤で期限付きで担任もできる)が6.2万人、非常勤講師(特定教科の授業だけ担当する時間給)が5万人だ。

 非正規が増える背景には、国が教員の給与や配置に関して地方の裁量を大幅に拡大したためだ。財政的に厳しい自治体では非正規教員で数の不足を補わざるを得ない。

 正規採用教員の半分は非正規経験者と言われ、非正規は正規教員になるためのキャリアパスという位置付けとさえ言われる。

 正規も非正規も、子供にとっては同じ先生に変わりはない。経済的に不安定な立場の非正規教員が過度に増えるのは、学校運営や教育の質や継続性を考えると決して好ましくない。いじめや自殺など子供の深刻な問題行動が見落とされたり、教員同士の連携や人間関係上も問題が起こりやすい。

 OECDの「国際教員指導環境調査」では教員の長時間勤務と人材不足が指摘された。教育の質を上げようと考えるなら非正規採用は最小限にとどめ、まず勤務環境を改善することが重要だ。