日本の女性研究者14.0%モデルや環境が整わず


 30歳の女性研究リーダーによる常識破りの万能細胞開発の成功は、“理系女(リケジョ)”に希望を与えた。

 短大を含めると女子の大学進学率は5割を超え、男子とほぼ同じ。大学の成績上位者は女子が占めるほど。研究の分野でも女性の活躍が期待されるが、成績・能力も高い割には、大学院に進み、研究者になる人はまだ少ない。

 学部卒業後、大学院に進む者の割合は男子15.4%に対して女子は6.2%という低さ。大学院卒業後、研究者になる女性は、さらに少なく、平成25年版男女共同参画白書によると、女性研究者の割合は英国38.3%、米国34.3%であるのに対して、日本は14.0%。韓国の16.7%より低い。理系分野に絞るともっと低くなる。

 諸外国と比べて女性研究者の層が薄い理由の一つは、身近にロールモデルとなる女性研究者が少ないこと。もう一つは、結婚・出産後に復帰し、研究を継続する環境が十分整っていないことが挙げられる。

 安倍政権は成長戦略の一つに女性の積極活用を掲げている。男性の領域と呼ばれる分野で女性が力を発揮するには、まだまだ多面的な支援が必要だ。