ウィーン産キムチはいかが?
オーストリアから
ウィーン市16区のオッタークリングに6月からキムチ専門店がオープンした。区の雑誌で紹介されていたので知った。韓国人が開いた店かと思っていたが、カナダ在住の女性と結婚したオーストリア人の料理人が開いたというので驚いた。世界各地でさまざまな料理を学んだ後、カナダで韓国のキムチに出合い、その味に魅了され、ウィーンでキムチ専門店を開くことになったという話だ。
もちろん、キムチの食材は全て地元産だから、新鮮で四季それぞれの野菜を利用して独自のキムチを作るという。ガラス瓶に入れ、客の好みで多種多様のキムチを提供できる。
キムチは欧州でも既に市民権を得ており、多くのウィーンっ子も知っているが、初めての人には「ドイツ人やオーストリア人がよく食べるザワークラウト(キャベツの漬物)のようなものだ」と説明すれば理解してもらえる。
音楽の都ウィーンには日本レストランより韓国人が経営するアジアンレストランが多い。もちろん、そこでもキムチが必ずテーブルに出てくるから、キムチ専門店を開いてやっていけるかどうか心配だ。だが、ウィーン産のキムチということで口コミで広がれば、案外、ウィーンの韓国人社会でも人気が出るかもしれない。
ウィーンっ子はチリ入りのピリッとした料理が大好きだから、キムチは彼らの期待に応えることができることは確かだ。問題はその臭いだ。このハードルを越えれば、キムチは必ずウィーンでも定着するだろう。
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