学生たちのサマー・ジョブ


地球だより

 フィンランドでは、6月1日から8月初旬まで学校は夏休みだ。人々も基本的に約4週間の夏休みを取る。夏休みの期間、国内外でのバカンスを家族、友人とともに楽しみ、日ごろの仕事の疲れを癒やし、年の後半に向けて鋭気を養う。

 その夏休みを取る人たちに代わって仕事に従事するのは、高校生、大学生たち。彼らの仕事をサマー・ジョブと呼ぶ。フィンランドでは、子供たちの自立のために社会でさまざまな経験を積むことを奨励しており、学生たち、特に大学生たちは、自分の専門分野に関するサマー・ジョブに就き、将来に備えようとする。

 企業側としては、企業の未来を担う学生を発掘できることにもなる。言い換えれば、サマー・ジョブは学生たちに仕事を通じて経験を与えるとともに、自らの将来の方向性を考察する期間ともなるのだ。

 先日、歯医者に行った。そこで自分の歯のクリーニングをしてくれたのは、将来、歯医者になろうとしている歯科大学生だった。大学生といえども歯科衛生の技術はすでに習得しており、夏休みの期間のみ、歯医者で歯科衛生士として歯のクリーニングをしている。

 彼女の対応は、まさにマニュアル通りではないかと思うほどきちんとした丁寧な説明をしながら、歯のクリーニングをしてくれたのが印象深かった。

(Y)