ケーキもワインも体に害?


地球だより

 健康ブームのフランスでは今、糖分を減らす努力をしない食品会社に対して増税を課す議論がされている。同時に世界的に評価の高いケーキ屋にプレッシャーがかけられている。

 理由は合成着色料などの食品添加物に、人体に有害な成分が含まれているからだ。問題なのは、スーパーなどで売られている菓子類には、成分表示が義務付けられているのに対して、フランスのケーキ「ガトー」は何の表示もなく売られていることだ。

 こんな批判に、フランスのパティシエたちは「大量に食べないかぎり、健康に悪影響は与えない」と説明しているが、専門家の間では疑問が呈されている。ケーキ屋の中には、自然由来の食材しか使わないことを売りにしている所もあるが、コスト高でビジネスになりにくい側面もある。

 もうひとつ、フランスが誇るものにワインがある。このワイン業界も最近、旗色が悪い。理由は健康被害問題で、今回はかなり決定的ともいえる研究結果が出ており、たばこと同じように窮地に立たされるかもしれない。

 フランスの輸出収益では、ワイン輸出は航空機エアバスに次ぐ2番目の規模で、ワインやビールなどのアルコールは、たとえ少量でも人間の身体に害を与えるとの最新の研究結果は業界にはかなり衝撃的だ。

 専門家たちは「アルコールは摂取しないことが望ましい」とコメントし、がんや心臓疾患、肝硬変などのリスクを警告している。

 ただ、多くのフランス人はケーキを食べることもワインを飲むことも断念する気はない。

(A)