「記念」と「追悼」の日で一杯


地球だより

 今年も既に3月を迎えたが、アルプスの小国オーストリアでは2018年は記念日が例年になく多い年だ。先ず先月22日、オーストリア国立図書館が創立650年を迎えた。バン・デア・ベレン大統領ら政治家、著名人、文人を迎えて記念行事が行われた。

 さらに、200年前、ザルツブルクの助任司祭ヨセフ・モーア作詞と彼の友人、オーバーオーストリア出身の教師フランツ・クサヴァー・グルーバー作曲で「聖しこの夜」がザルツブルク州オーベンドルフの聖ニコラウス教会で初演奏された。

 120年前には皇妃シシーが暗殺され、100年前には第1次世界大戦が終戦を迎えた。その後、共和国樹立宣言が成された。同時に、オーストリアで女性選挙権導入、グスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、オットー・ワーグナー没後100年だ。そして今年はナチス・ドイツのオーストリア併合80年を迎える、といった具合だ。

 最近では40年前の1978年、ウィーン市で地下鉄が初開通。20年前、オーストリアの有名なミュージシャン、ファルコが交通事故死した(ロック・ミー・アマデウスがヨーロッパとアメリカでトップチャート記録)。

 ある宗教指導者が「天国ができたら、毎日、祝日であり、記念日となる」と語ったと聞いたことがある。天国はまだ到来していないが、オーストリアでは今年は本当に記念日と追悼の日の連続だ。

(O)