駐車罰金無料化で町おこし


地球だより

 今年1月からフランスは各コミューン(市町村に相当)が、自主的に違法駐車の罰金額を決められるようになった。

 駐車場を持たない古い建物が多いフランスでは、歩道横の路肩に駐車するのが一般的。白線が引いてあり、車が駐車できるスペースが示されている。無論、歩道の上とかバスレーンへの違法駐車の罰金額は高額で全国一律だった。ところが1月から法改正され、市町村が罰金額を独自に設定できるようになった。

 地方都市では、路上駐車に駐車料金が掛かり、なおかつ時間制限もあるので、駐車が無料の郊外にある大型ショッピングセンターに買い物に行く住民が圧倒的に多い。市内中心部の個人商店は閑古鳥が鳴くようになった。

 そこで市町村自治体の判断で、街中の駐車スペースの罰金額を下げたり、無料化したりする動きが出ている。無料化した道路の自動販売機は張り紙がされ、自由に駐車できることが告知されている。

 これらの措置は観光地では、より積極的に実施されている。フランスの町の中心部には旧市街地があり、歴史的建造物が多く、観光スポットになっている。ところが車の駐車を考え観光客は減少している。無料で車が時間制限なく駐車できるとなれば話は別だ。

 この法改正を町おこしに使おうという自治体は増えている。無論、7月、8月のバカンス時期、街中が車で混み合うことを懸念する声もあるが、そのときになってみないと分からない。しかし少なくとも町の活性化には貢献しそうだ。

(M)