独右派政党幹部の失言


地球だより

 独サッカー・ナショナルチームの一員で、バイエルン・ミュンヘンに所属するジェローム・ボアテング選手(27)について、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)のアレクサンダー・ガウラント副党首は、「サッカー選手としてはいいかもしれないが、隣人にはしたくはない」と語ったことが報じられると、サッカー関係者ばかりではなく、与野党の政治家から大きな批判の声が上がっている。

 ボアテング選手はガーナ人の父親とドイツ人女性の間に生まれた。AfD副党首の発言について、与野党から厳しい批判の声が出ている。ハイコ・マース法務相(社会民主党=SPD=出身)はツイッターで、「無神経な発言で絶対容認されない。あのような発言する者こそ悪い隣人だ」と非難。「キリスト教民主同盟」(CDU)のユリア・クレックナー副党首は、「ガウラント氏よりボアテング選手を隣人にしたい。AfDの政治家の典型的な発言だ。侮辱し、扇動し、後で否定するやり方だ」と述べている。

 また、ガブリエルSPD党首は、「AfDはドイツ人排斥であり、外国人排斥ではない」と皮肉を込めて強調し、「同盟90・緑の党」連邦議会副議長のカトリン・ゲーリング・エッカルト女史は、「ガウラント氏とAfDはドイツをまだ理解していない」と述べている、といった具合だ。

 独週刊誌「シュピーゲル」電子版は5月30日、ボアテング選手のコメントを紹介している。

 「それについては笑う以外にないね。今日でもそのような発言が飛び出すことは悲しい」

 AfDは2013年2月、ベルリンで創設された政党で約2万人の党員(16年4月現在)を有する。14年には欧州議会選挙で議席を獲得し、州議会レベルでも議席を確保し、ドイツ政界の台風の目となってきた。欧州統合には懐疑的で、ドイツ・ファーストを標榜し、隣国オーストリアの極右政党「自由党」と連携を深めている。

(O)